わたしが中学生の頃のことです。
その当時、我が家はあるマンションの一室に住んでいました。
マンションとは言っても、うちの家はお父さんが転勤族でしたから借りる側。典型的な、古びた雑居マンションでした。
人口の減っているその町では建物の規模だけが大きい不人気物件だったそうで、空室も多数。
その分、家賃は安かったそうで、お父さんはホクホク顔でした。
わたしとしては、どうせ数年でまた他の場所に移ることになるのもわかっていましたから、家としては大した思い入れもありません。いつも通りの仮の宿という感覚に過ぎませんでした。
壁ごしの母子の喘ぎ声が刺激したわたしの覗き願望
ただ、そのマンションに越してきたときに印象的だったのが、隣人の女性でした。
礼儀正しい、優しそうな女の人です。年齢は見た目からは判断できませんでしたが、20代後半くらいかと思いました。
すらっとした美人で、いかにも女らしくて、それでいて凛としてて…子供のわたしでも、同性としてこんな人になれればって思ってしまう、そんな人でした。
一目見ただけで、わたしはその人に勝手に憧れたんです。
とはいっても、共通の話題があるわけでもないし、たまに出会ったときに会釈をするくらいで、会話をすることはありませんでした。
この手の雑居マンションに住んだことのある方はわかると思いますが、よほどのトラブルがない限り、ほとんど隣人との付き合いなんてないですから。
だから、その人の素性も直接は全く知りませんでした。
最初に知ったのは、直接世間話をしたお母さんづてです。
「お隣さん、えらいわよねえ。女手一人で、息子さんまで育てて…」
「え?あの人、子供いるの!?」
「そうなんだって。見えないわよねえ。ああ見えて30代だっていうし。でも、それであの見た目はうらやましいわ」
お母さんは心底羨ましそうにいったものですが、わたしも驚きました。
優しそうとは思ったものの、とても子供がいるようなイメージはなかったからです。
ただ、お母さんの言う通り、子供の立場なりにですがその苦労は想像できましたし、彼女のことは素直にすごいと思いました。
その後、実際にマンションで、息子さんを連れた彼女とすれ違いました。
イメージしていたよりは大きかったものの、それでもまだあどけない感じの息子さんは、母親であるその女性にくっついて歩いていて、当たり前ですが親である彼女を完全に信頼しきっているようでした。
一人でいる時と違ってそこにはとても暖かい、苦労はしてても母子関係の円満な関係を感じられる空気がありました。
わたしも、将来あんなお母さんになれたらいいな、と思っていたんです。
ただ、半年くらいたった頃でしょうか。
隣家の様子がおかしくなってきたんです。
おかしいとは言っても、それに気づいたのはわたしだけでした。
我が家は、お父さんが朝遅い代わりに夜も遅い仕事だったのですが、
その少し前からお母さんも遅番のパートに出ていました。
夕方から深夜までの約5時間を平日週5日固定。
本人は昼間の、もう少し負担の軽いパートがよかったとこぼしていましたが、
なにしろその頃はニュースでも不景気とばかり言われていた頃で、あまり選ぶことができなかったそうです。
もっとも、遅番は給料はよかったそうで、ちょっとはへそくりが作れるわ、とまんざらでもなさそうでしたが。
一方、わたしは塾などには通っていませんでしたから、夜はほとんどの日はわたし一人で過ごすようになったんです。
一人と言っても、生活のリズムはわりとはっきりしていました。
日が暮れる頃に学校から帰ってきて、作りおきのおかずで晩御飯を食べる。
疲れがこのあたりでピークになるので、2時間くらいひと眠りして、それから勉強を始める。
それが終わる深夜に両親が帰ってきて、そこで軽く家族でおしゃべりしてから、改めて就寝。
だいたい、それがお決まりのパターンでした。
そんな生活になってしばらくした、ある夜のことでした。
その日、わたしはいつものように晩御飯を一人で食べたあと、真っ暗な自室で仮眠していました。
ふと、わたしは目を覚ましました。
どこからか、かすかではありましたが、奇妙な音が聞こえたんです。
もって回った言い方をしても仕方ないのではっきり言うと、どうもそれはAVの音声のようでした。
ときどき喘ぎ声だったり、いかにもいやらしい単語が混じるので、それと分かります。
おま●ことか、ち●ちんとか、そういういかにもな言葉を女優さんが叫んでいるようでした。
あまり大きな声では言えませんが、わたしもエッチな知識に興味はある方でしたから、AVの存在は知っていましたし、それを見る人への嫌悪感もありません。
ただ、いくら興味があるとはいえ、他人が見ているAVの音声を延々聞かされる趣味はありませんから、不快です。
いくら古いマンションとは言え、他の部屋まで音が漏れてくるとなると相当のボリュームのはずです。
まだ眠気の冷めない頭で、どこの誰がヘッドホンもつけずにAVみてるのよと思って、音の発信源を探ってみました。
…ハッキリとはわかりませんが、寝てるわたしからみて右の、壁側。それに音の近さからすると、お隣の…
そこまで考えて、わたしはあれ?と思いました。
母親と小さな息子さんしか住んでいない部屋で、一体誰がAVを見るっていうんだ。
かといって、隣家はフロアの角部屋ですから、音の方向からするとあの親子の部屋しかありません。
百歩譲って別の部屋だとしても、上は屋上ですし、逆側の隣室は空室。
下のフロアに至っては、不人気物件と言われるだけあって3、4部屋続けて空室になっていました。
何が起こっているのか、その意味を掴みかねたとき、わたしの耳に、ひと際高い声が飛び込んできました。
それは、ほとんど絶叫で、それまでのぼんやりした音と違ってやけにはっきり聞こえました。
声が大きすぎて、壁ごしでは消音しきれなかったんでしょう。
女性の声ではありません。
どう聞いても、小さな男の子の声でした。
「ママ、ママ、きもちいいよおっ!」
その直後に、男の子の絶叫よりははるかに小さいものの、女性のうめくような声が一瞬聞こえ、そして音が途切れました。
その後、ごそごそとなにか小さな音がしたあとに、シーンとした静けさが戻ってきたんです。
静かな部屋の中で、わたしはもうすっかり目覚めて、目を見開くばかりでした。
聞きたくもない、AV「みたい」な声。
その意味するところを、わたしは半ば確信していたんです。
その夜を境に、お隣からは連日、わたしが仮眠を取っている時間を見計らったように、その音は聞こえてくるようになりました。
何がきっかけだったのかは知る由もありませんが、隣人の母子はすっかり、いやらしい関係がお気に召したようです。
そのうち、気を付けてさえいれば、部屋の中でベッドか何かがギシギシと軋む音まで大体判別できてしまうほどに、音が大きくなってきました。
声の方はいうまでもなく、はしたないやり取りが手に取るようにわかりました。
ただ、休日はもちろん、わたしが室内で明かりをつけている時間帯には、まったくその声は聞こえてきませんでした。
逆に、平日の我が家に明かりがついていない時間帯、つまりわたしが仮眠しているときは、留守だと思っているのか、決まっていやらしいことを始める。
さすがに、隣人がいないか、万が一を考えて用心はしていたんでしょう。
ただ、それでもあの感じだと、あそこまで音が漏れているとは思っていなかったでしょうが。
あるいは、そんなことを気にしていられないほどに、いやらしいことが大好きだったのか。
それは、わたしにはうかがい知ることはできない領域でした。
今のわたしだったら、すぐにしかるべきところに電話でもしていたかもしれません。
でも、そんな知識は当時のわたしにはありませんでした。
それに、息子さんが嫌がっているなら話は別ですが、声色を聞く限りはむしろ喜んでいるようにしか聞こえません。
問題の母子と廊下ですれ違うことはそれからもたまにありましたが、やっぱりお母さんは優しそうで綺麗なままだし、息子さんは前にもましてべったり。
仲がいいことは間違いなかったです。実際は、社会的に問題あるくらい仲が良すぎるわけですが、あの様子だとわたしが口を出す余地はありません。
連日聞かされているうちに、彼女たちの声や音にもすぐに慣れました。
ただ、問題がなかったわけではありません。
わたしだって、エッチなことには興味津々な年頃なんです。
そんなところに、毎日毎日、あんな声を聞かされるんです。
喘ぎ声はもちろん、挿入を求める声、おち●ちんを褒めそやす声、射精をこらえる声、射精を求める声、そして、最後にイくときの絶叫。
しかも、それを発しているのは、自分の憧れの女性と、その息子さんなんです。
そのあまりの非常識さで感覚が狂わされたのか、単なる好奇心だったのか、それとも、もともとそういう欲求がわたしの中に潜んでいたのかは、今でもわかりません。
わたしはいつしか、彼女たち親子のまぐわいぶりを、この目で見てみたくて仕方がなくなってきたんです。
最初はずいぶん悩みました。
なにしろ、わたしがやろうとしていることは、どう言い訳しても覗き魔そのものです。
自分が変態になってしまったとは認めたくありませんでした。
とはいえ、日に日に頭の中は、あの母子のことでいっぱいになっていきます。
彼女たちのことを考えるだけで、あそこの奥が熱くなってくるようになったところで、わたしはとうとう、隣室を覗く決意をしました。
一旦決心してしまえば、覗く方法はすぐに考えつきました。
意図的に明かりをつけなければ、隣人の母子はまず間違いなく行為に及ぶでしょうから、タイミングの問題はありません。
問題は覗く場所でしたが、そのマンションはベランダの仕切り壁にわずかにスキマが空いており、カーテンさえ開いていれば、隣室の様子を伺うことはできます。
夜に真っ暗なベランダの板越しに覗くんですから、明るい室内でセックスに夢中になっている相手からは多分気づかれないでしょう。
もちろん、カーテンが閉まっていたらどうにもならない、杜撰な計画でした。
でも、どのみち他に覗ける方法はありません。
聞こえてくる音からしたら、エッチの間は理性を失ってそうだし、気長に待てば、そのうち1日くらいはカーテンを閉め忘れる日もあるだろうと考えたんです。
結局のところ、その心配はなかったんですが。
心を決めた翌日、わたしは晩御飯を済ませると、いつも通りの時間に部屋の電気を消灯しました。
そして、仮眠をせずにただ隣室の様子に神経を集中しました。
ほどなく、ごそごそという音、そして、小さく女性と男の子のいやらしい声が聞こえ始めました。
今だ。わたしは、音を立てないように立ち上がり、忍び足でベランダに向かいました。
そっとベランダに続く扉を空けます。わずかに音がしてひやっとしましたが、隣室の声は止まる気配はありません。
息をつめて、気配を殺して、わたしは祈るような気持ちで防火扉のわずかな隙間に顔を近づけたんです。
カーテンは、開いていました。
最上階で周囲に覗ける建物がない上、なまじ我が家の明かりに注意している分、カーテンまでは意識していなかったのかもしれません。
見て下さいといわんばかりに、室内は丸見えでした。
明るく照らされた室内で、二人が激しく動いていました。
ソファに座って大きく脚を開いた女性。
その足の間に挟み込まれるように、男の子がお尻丸出しで立っていて、腰をお母さんに向かってものすごい勢いで動かしていました。
どういうつもりなのか、二人とも上半身にはちゃんと服を着ていました。
女性も、たまにすれ違う時に見かけた、グレーのワイシャツに上着を羽織った姿。
なまじ丸裸でないのがかえっていやらしく見えました。
角度と二人の体勢の問題で、性器の様子まではうかがえませんでした。
部屋のソファの位置までかなり距離があったので、たとえ角度がよかったとしても見えなかったでしょうが。
ただ、それはあまり問題ではありませんでした。
女性の反応と表情だけでも、わたしには刺激が強すぎたからです。
息子さんが腰を振る、その一回一回ごとに、まるで感電したかのように女性は身体をのけぞらせ、震えていました。
首を振り、綺麗な黒い髪を振り乱し、半狂乱の体です。
顔の表情も、すごいものでした。
苦痛に耐えているような顔、快感に溺れたような顔。
それらが入れ替わり立ち代わり現れました。
大きな切れ長の目は、完全に虚空を見ているようにぼんやりしています。
それら全てが、昼間の、あの涼しげな、優しそうな、理想の母親というわたしのイメージからは180度かけ離れたものでした。
ただ、わたしは、それをみて失望したりはしていませんでした。
あらかじめ何をしているかは知っていたわけですし、
なにより、目の前で繰り広げられている、自分のイメージを粉々にする光景こそがわたしの見たかったものだったんですから。
わたしは、我を忘れて、隣人の母子のセックスに見入りました。
女性のあまりの乱れぶりは、おち●ちんを膣に入れられるという行為がどんなに気持ちいいものかを、何よりも雄弁にわたしに伝えてきます。
それどころか、見ているうちに、わたしは、まるで自分自身の、まだ未体験の膣の中で息子さんのおち●ちんが蠢いているような気分にさえなってきました。
だからといって、股間に手をやるようなことはしませんでした。
自分でもオナニーは時々していましたが、その時はそんな気持ちの余裕はありませんでした。
それに、その必要もなかったんです。
わざわざ手で触らなくても、わたしのあそこはすっかり熱くなり、刺激がないのに既に何度か達していましたから。
割れ目の奥からは、お漏らししたかのようにどろどろと体液が吐き出されてきます。
下着にそれがしみこみ、それでも吸収しきれずに、太ももを伝って流れ落ちていくのがわかりましたが、わたしはそれを気にすることもありませんでした。
時折絶頂の波が襲ってくるたびに、両脚をガクガクと震わせることしかできなかったんです。
どれくらいたったでしょう。
やがて、女性が首を大きく後ろにのけぞらせた時、息子さんの動きが止まりました。
女性の身体が、いったいどんな仕組みであんな動きをするのか不思議になるほどに、ビクピクしていました。
終わったんだ。
わたしは、それを見ながら、最後にもう一度、ブルっと両足を震わせました。
どろりとした体液が、またわたしの股間から流れてきます。
ふと足元を見ると、ベランダの床には、わたしの体液で小さなしみまでできていました。
窓の向こうで、母子は達したまま、固まったように動きませんでした。
二人が判断力を取り戻す前に、わたしは踵を返して、静かに自室に戻ったんです。
そのまま、バタンとベッドに転がったわたしは、その日は何もできませんでした。
何度も達していたから、改めてオナニーする必要もありませんでした。
数時間後帰ってきた両親とのだんらんの習慣も、その日は体調が悪いと言ってごまかしたほどです。
ただ、心の中はしばらくなかったほど満たされて、満足していました。
隣人母子の近親相姦の話は、これで終わりです。
その後、わたしたち一家が再び引っ越すまでの3年間でお隣の息子さんはみるみる成長して、かなり立派な体格になりました。
そして、これも何があったのかわかりませんが、いつの間にかお隣のいやらしい声は聞こえなくなったんです。
ただ、最後に会ったときまで、お隣は理想的な親子のままだったことは付け加えておきます。
わたしはというと、その後ほどなく同級生の男子と初体験をして、処女をうしないました。
覗きの一件以来、すっかり性への興味が増してしまったのも、わたしの背を押した理由のひとつだったと思います。
そういう意味では、わたしの性の本格的な目覚めは、いい意味か悪い意味かは別として、あの親子がもたらしたと言っていいです。
もちろん、たとえ悪い意味にとるとしても、あの親子にいまさら責任転嫁する気はないですけどね。